今年も3戦を消化し、この号が書店に並ぶころには、国内最長レースの十勝24時間も終了。08年S耐は、早くも折り返し地点を通過する運びとなりました。
さて、今回は「サーキット別の戦略の違い」についてお話しましょう。全国行脚で開催されているスーパー耐久で、現在使われているサーキットは、鈴鹿・西仙台・富士・十勝・岡山・菅生・もてぎの7カ所。どこのサーキットも個性的ですが、このなかで仙台ハイランドレースウェイ・十勝スピードウェイの2カ所をピックアップしてみます。
まずは仙台ハイランドレースウェイ。ここのサーキットはウチのチームにとても相性のよいサーキットですが(現在11連勝中です!)、アップダウンの激しい山間部でのコースレイアウトと路面の状態から、おそらく国内一タイヤに厳しいサーキットだと思います。思うように他チームとのマージンが築きあげられなかったときは、ピットインの際にタイヤの交換本数を全4本からフロント2本のみに減らしてストップ時間を短縮。そのため、ピットアウト後はタイヤのグリップレベルが安定するまで、ドライバーは超オーバーステアとの戦いとなり、息抜く暇もない張り詰めた状態がゴールまで続くこととなります。
次は十勝スピードウェイ。こちらは丸々1昼夜走り続けるということで、サーキットの特性というより「24時間をどうやって戦うか?」という作戦の組み立てが非常に難しい場所といえます。ですが、24時間ともなるとピット回数は2ケタとなり、夜間走行や事故などによるセーフティカーラン、トラブルでの緊急ピットや天候の急変なども当然のように繰り返され、毎年チェッカーを受けるまで何があるかわからないコースだといえます。
ここで掲載している内容は、エボマガ紙面から一部内容を抜粋して掲載しています。「もっと読みたい!」というひとは、ぜひ本誌もチェックしてね! »
山田基裕
Yamada Motohiro
スーパー耐久レース オーリンズランサーチーム監督
オーリンズランサーチームを指揮し、2006年はSTクラス2のシリーズチャンピオンに輝く。チームのドライバーは「不動」と言われる中谷明彦選手と木下隆之選手。このふたりの有名ドライバー陣を巧みにコントロールするさまは見事というよりほかなく、レーシングチームの監督が天職なのでは?と思わせるほどの立ち回りぶりを発揮する。2007年も引き続き同チームにて参戦決定。