このコラムを書いているのが、暮れも押し迫った12月20日。20077シーズンも終了し、「ちょっとノンビリ」といきたいところですが、余韻に浸る暇もなく、最終戦もてぎ500kmを終えた翌々日からすでに来季に向けてのスタートは切られ、スタッフ全員土日休みも返上しての大忙し。
その最大の理由は、エボリューションXのS耐カーを新年早々開催される東京オートサロンに出展することが確定したからです。その車両を作り上げるにあたり、どうせ作るなら見た目だけの「S耐レプリカ」ではなく、一からキッチリと本戦用のレースカーに仕立て、オートサロン終了と同時に会社に持ち帰り再度全バラ作業後に最終仕上げ。
そして、フルモデルチェンジされた新型エボを1日でも早くシェイクダウンしたいということになり、各スポンサーや取引先を巻き込んでの必死の作業と相成ったわけです。
さて、迎える2008年シーズン。新型エボリューションXでの参戦を決意したオーリンズ・レーシング・スタッフ全員のレースに対する気構えは、チャンピオンチームとしてのプライドを捨て、チャレンジャーとしてシリーズに挑もうというもの。それはだれも登頂したことのない最高峰の山にチャレンジする気分と同じです。
車重の増加を懸念する話も聞こえてきますが、07年われわれはセダンより60kg重いハンデのあるワゴンであれだけの速さを生み出せたことにより、よいデータも取得でき、またこの車重に対する貴重なデータをエボXにも流用できるものと確信しています。今製作中のエボXレースカーがわれわれの想定する車重に収まれば、きっと……。
エボマガファンのみなさん、08年もオーリンズ・レーシングの応援、よろしくお願いします!ここで掲載している内容は、エボマガ紙面から一部内容を抜粋して掲載しています。「もっと読みたい!」というひとは、ぜひ本誌もチェックしてね! »
山田基裕
Yamada Motohiro
スーパー耐久レース オーリンズランサーチーム監督
オーリンズランサーチームを指揮し、2006年はSTクラス2のシリーズチャンピオンに輝く。チームのドライバーは「不動」と言われる中谷明彦選手と木下隆之選手。このふたりの有名ドライバー陣を巧みにコントロールするさまは見事というよりほかなく、レーシングチームの監督が天職なのでは?と思わせるほどの立ち回りぶりを発揮する。2007年も引き続き同チームにて参戦決定。