トップページチョイ読みコラム>匠の技 第1回 サイトウロールケージ 斉藤良介氏
匠の技
第一回

サイトウロールケージ
斎藤良介氏

ロールケージを作り続けて35年。事故時にはドライバーを守り、ボディ剛性を高め、さらに見た目もスマートじゃなければウチの製品とはいえない。そのポリシーは創業当時から変わることなく、次の世代へも確実に受け継がれていくだろう。そんな職人の強いコダワリを、じっくりと感じとっていただきたい。

(C)ランサーエボリューションマガジン

「ただの安全パイプにはしたくない」
だからこそ取り付けも含めて自分でやりたくなる

埼玉県桶川市の工業団地、その一角にサイトウロールケージはある。 鉄工所の跡取りだった斎藤良介氏がロールケージ作りの世界に足を踏み入れたのは、ごくありがちな理由からだ。 いわゆる「知り合いに頼まれて」という、単純明快なものだった。

実家にあった設備を使えば、鉄パイプを加工してロールケージを製作することは、さほど難しくはなかった。自身も幼いころからクルマが好きで、さらに生来のきまじめさも手伝い、その経験をきっかけにロールケージの専門家としての道を歩み出すことになる。

ロールケージと聞き、真っ先に思い浮かべるのは“乗員保護”というキーワードだろう。それはもちろん間違いではないが、安全性の向上だけで満足できなかったのが、斎藤氏の職人たるゆえんといえる。「鉄パイプを室内に張り巡らすんだから、重量面では当然ながらマイナスになってしまう。ならば、安全性のほかに何かしらのメリットを作れないだろうか?」と考えたのだ。

真っ先に思いついたのは、他社製品でもうたわれていた“ボディ剛性”。ただし、ロールケージを装着したクルマをよく見ると、大部分はボディとの間に透き間がある。こんな状態で本当にボディ剛性は上がるのだろうか? そこで斎藤氏は、ロールケージとボディを密着させることにこだわった。室内寸法をシビアに計測して、ギリギリのサイズでロールケージを製作する。

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