今からさかのぼること10年前、ボディ補強チューニングといったら、手軽なパーツはストラットタワーバーくらいしか存在しなかった。これ以上のものを求めると、ロールケージやスポット増しといった、一気にハードチューン化っぽいボディ補強しか選択肢がなかった。
それからしばらくして、ランエボやインプレッサチューンでおなじみカーステーション・マルシェから、「筋金くん(現在はスーパーすじがねくんに改名)」という、なんともかわいらしいネーミングのボディ補強パーツが登場した。フェンダー部分に取り付けることでエンジンルーム内と室内をまたぐように補強バーを固定。ハンドリング特性が激変する!と話題になったのを記憶している。
このパーツのすごさは、ハンドリング特性の向上だけじゃない。ボルトオンで装着可能である点と、ストラット以外の補強、このふたつの斬新なアイデアにある。
たしかにこの部分を補強すると、飛躍的にボディ剛性がアップするのは知られていた。レース用のロールケージは、室内からバルクヘッドを貫通させてフロントのアッパーマウント付近に溶接留めされていた。またラリーの世界では、この部分に当て板をしてボディ補強を行っていたそうだ。
事実、ライバルのインプレッサは、初代のGCからすじがねくんらしき補強パーツが装着されている。もちろん、マルシェ製のような立派なものではなく、薄いプレス板だったが…